うつむいて 歩く
草むらに 小さな虫の声
ふと 見上げると
夜空に 小さな星明かり
同じくらいの 小ささで
私は道に 立っている
(小ささ)
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岐阜県恵那市で養豚農家を経営する詩人、石原弦の詩集。
一九八〇生まれのこの詩人は岐阜県の山村で生まれ育ち、10代から詩に関心を持ち始め、自然と人との関わりの中に言葉を見出し、聲を聞き取ってきた。
山川、草木、風星、その中で産声や叫び声をあげる多様な生命。
静と動が一体となって読む者の心に迫ってくる。
発行は詩人との奇跡的な邂逅をし、この詩を世に出すことに決めた恵那市の古本屋「庭文庫」の出版レーベル、「あさやけ出版」。
磨かれた石のような造本は造本作家、新島龍彦によるもの。
奥付にはこの本に使用された書体や用紙の詳細が掲載されています。
著者:石原弦 造本:新島龍彦 和紙:柳川杏美 発行:あさやけ出版 2020.10 初版 ハードカバー 167p
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