読めば無数の傷が見えてくる
そして
書くことで治している彼女の姿も
-植本一子
書かなければ前に進めない、これからの人生を歩めない、そういう書き手に希に出会う。
内田紗世さんもそういう人なのだろうと思う。
そういった人の文章は生々しいもので、切れば血が出る。
数行を読んでそういう文章だと分かれば読み手も覚悟しなければならない。
ここに書かれている個人的な体験は元より、書き手そのものを意識して、手紙を受け取った時のように最後まで読み通さなければならない。
そうすることで、家族という時に不可解な繋がりよりも書き手と読み手の深い信頼が生まれることがある。
そういう本です。
著者・発行:内田紗世 帯デザイン:坂本菜緒 2021.2 第二刷
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