従来とはまったく違う美の基準を打ち立て、「民藝」という美の「ものさし」を提示した柳宗悦。しかし、貴族的なものや鑑賞の為の作品よりも実際に日常生活で使われている雑器のほうにこそ見るべきものが多いとした柳の主張は、しばしば誤解されてきた。いわく、個人作家の作品を全否定するのか、生活工芸品であればなんでも美しいのか、と。そこで晩年の柳が、民藝同人の総力を結集して、自分たちが考える美しいものはこういうものだと図版と詳細な解説で総合的に示したのがこの『民藝図鑑』。第一巻では日本の陶磁、染織、民画、玩具、金工、木工、石工等の優品を紹介する。全三巻。
解説 白土慎太郎(日本民藝館主任学芸員)
柳宗悦が見せたかったもの、136点。
生前に刊行された唯一の公式図録。
【目次】
図版
序文(柳宗悦)
民藝の意義
日本の民窯
織物について
民画について
金工について
木彫その他
英文解説
解説『民藝図鑑』と柳宗悦(白土慎太郎)
著:柳宗悦 出版社:ちくま学芸文庫 2023 265p
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