アメリカの写真家ミミ・プランブの作品集。
馬の群れのポートレイトシリーズ。
＝荒々しいアメリカの風景の中にある崇高さ。

写真家は1990年代後半から 2000年代前半にかけて、毎年夏になると、サンフランシスコの自宅からキングスキャニオンという荒野に旅し、馬の群れと交流を続けた。
聖域に踏み込むとはこういうことを言うのだろう。馬の美しさは神秘的で、けれど野生の持つ崇高さもページに溢れている。

「馬たちは横になって眠り、脚をピクピクさせ、口を草の葉に巻き付けている。ハエは馬たちの潤んだ、ちらちらした目に引き寄せられる。私は焦点をできるだけ近づけて、馬の顔、尾、ひずめ、腹を観察し、馬と場所の官能的な魅力に魅了される。」

「私はシエラネバダ山脈の高地にある牧草地にいます。サンホアキン川の水路が、青々と茂った草の間を縫うように流れています。私は靴と靴下を脱ぎ、ズボンをまくり上げて浅瀬を渡り、馬たちが今餌を食べている場所まで歩いて行きます。馬たちは牧草地の周りをぐるりと回って、食べたり飲んだり眠ったりしながら、私には不思議なパターンを描いています。

「午後遅く、馬たちは突然一列になって牧草地から去っていく。私は、腕に引っかき傷がつくほどの厚い泥沼と枯れ木や枝を抜けて、馬たちを追いかける。馬たちは速歩やキャンターで、一日中動いていたよりも速く動いている。追いつくことができない。川岸の端に着くと、最後の馬たちが慎重に深く流れの速い水の中に足を踏み入れ、ゆっくりと向こう岸に流れていくのが見える。」 - ミミ・プランブ

"ミミ・プランブの『Megalith-Still』は、独特の手触りの繊維質ウール紙（ファッション業界の余剰品を使用して製造）で四分の三綴じされ、三色刷りで巧みに印刷されており、まさに時代を超えた出版物です。"