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2002年から近年までの間に撮影された111人の日本人のポートレイト写真集。
妹島和世(カバー)、沢渡朔、磯崎新、長島有里枝、森山大道、中平卓馬、モトーラ世理奈、坂本慎太郎、飴屋法水、奈良美智、朝吹真理子、村上春樹、、そして子どもたち
写真家、建築家、小説家、画家、詩人、音楽家、モデル、俳優、料理人、デザイナー、、
日本を代表する芸術家たちが一堂に会するホンマさんの待望の作品集です。
NYのDASHWOOD BOOKSから
以下、版元より
日本人写真家、ホンマタカシの作品集。本作は、2002年から近年までの間に撮影された111人の日本人のポートレイトを収録した写真集である。プリツカー賞受賞建築家である磯崎新や、1968年から1970年にかけて発行された伝説的写真雑誌 『プロヴォーク(PROVOKE)』の共同発案・創刊人である中平卓馬など、作者にとって「メンター」である人物から受けた影響に敬意を表しながら、同時に現在も活躍するあらゆる世代の幅広い職業や人生経験を写し取り、ポートレイトという形で表現している。静けさの中から滲み出る強度と紛れもない清澄さを携え、現代日本における社会的かつ文化的構造を形成する「顔」が見せる日常的かつ非凡な相貌をじっくり見つめ、深く考察するよう我々を誘う。
これまでの40年間、作者は様々な作品を生み出し、今日の日本の写真界で最も影響力のある人物の一人となった。『東京郊外 TOKYO SUBURBIA』(1998年、光琳社刊)における東京の郊外風景を追った初期の作品から、建築、自然、都市の歴史をコンセプチュアルに探った作品群まで、視覚文化における写真が持つ役割に常に挑み、拡張させ続けている。作者の影響は日本のみならず国外にも及び、展覧会や出版物は、アイデンティティ、場所、そして写真集が物語る視覚言語の進化を取り巻く世界的な対話の発生や発展に貢献している。
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本書が特徴とするのは、文化的なアイコンとされる面々に対して時に向けられるのと同じように、注意と敬意を深く払って撮影された一般の一個人たちにも意図的に焦点を当てていることである。このポートレイト群は、主に都市部を中心に数々の見慣れた場所で撮影されており、その場所が被写体の心理的な深みを露わにするスポットライトのような質を持ちあわせている。そのアプローチは、東松照明の肖像ほどあからさまに政治的ではなく、鬼海弘雄や渡辺克巳よりも日本人を広くとらえ、上田義彦よりも人間性が露わになっている。作者のポートレイトは、小細工や演出から解き放ち、人々をありのままに観察したいという願望と共感によって導かれている。その結果、日本人のアイデンティティをより包括的でニュアンス豊かな視覚的表現で写し取り、国内、国外いずれからも覗き見るレンズの視野を拡げることとなった。
日本は、その美学、伝統、技術革新によって、アメリカ、ヨーロッパ諸国のみならず、世界中の人々を魅了してきた。しかし日本人の生活の実態は、しばしば理想化され、誤解され、見逃されてもいた。本書は、一人の日本人写真家が自らの作品を通して、直接かつ意図的、内省的に語る場をもたらし、地に足のついた本物の現代日本の肖像を提示するという点で、とりわけ意義深い一作となっている。
体系的でありながら、深く私的でもあるこの作品集は、長く続いていく作者のキャリアにおいて静寂でありながら力強い道標となるものであり、同時に今日の日本を形作ってきた人々を写すポートレイトとしては、人々の心に深く迫り、時宜にかなったなアーカイブとなるであろう。
著者 Author:ホンマタカシ 発行 PUBLISHER : dashwoodbooks 2025 hardcover 232p
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