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自分自身として生きること、自分たちの家族をつくること。

"石田さんに手紙を書こうと思った。手紙なら届くかもしれない、と。"

夫(ECD)が亡くなってからの1年間の日記。
日記は石田さんが亡くなった日から約2週間後に始まる。
遺品整理、お金のこと、仕事、子どもたち、学校、支えてくれる友人たち、新しい恋人、
ここには死の気配はないけれど、夫(死者)との対話があり、それを書き記すことは恐らく植本さんにとって避けては通れない道だった。その切実さは植本さんだけのもので、読者は本当の意味で共感も感動も出来ないだろう。
けれど植本さんが見ている台風が過ぎ去った風景を、空を、想像することは出来る。

著者:植本一子 出版社:河出書房新社 2019.5 初版
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