"胸がいっぱいで、言葉が出てこないし、胸がいっぱいで、何をして良いのか解らない。そんな体験のなかで記憶された歌。"
(ヴィム・ヴェンダースのトゥ・マッチ・オン・マイ・マインド)
1988年に発表され絶版となっていた美術作家永井宏のエッセイ集。
永井さんが影響を受けた主に60年代の音楽・映画・アート(とりわけ写真)を青春の記憶として、憧れとして、そして体験として、豊富な裏打ちされた知識と共に綴った名著です。
僕も実はこの新装改訂版を手にして初めて読んだのですが、30年以上前の本とは思えないほどに(まして年代の話を出すことが不遜に思えるほどに)、好んで読んで来た数多の音楽エッセイが霞むほどに、新鮮で愛情に満ちていて身体的な喜びを共有出来るほどでした。
待望の復刊です。
「水星の都市」というロマンティックなタイトルがどこから来たのか本書を読んで納得してください。
解説は直枝政広(カーネーション)
著者・アートワーク:永井宏 出版社:mille books 2019 ソフトカバー
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