『人間は人間だけで生きているのではない。複数種の絡まりあいとして、人間は、ある。種を横断して人間を描き出そうとする「マルチスピーシーズ人類学』「たぐい」3号です。
全4冊刊行予定の人類学を軸とするポストヒューマニティーズ誌
”二十世紀後半以降に頻発する動物由来の感染症は、開発などの人間本位の理由で、人間が自然や野生に過度に接近・接触した結果により出現した現象だということがわかっている。
私たちは今、過去五百年間の人間の行動が、人間の思い上がりであったと反省せざるを得ない。”
そういうわけで特集1は「異種との遭遇」、そして特集2は今世界中から注目を集めている社会人類学者「ティム・インゴルド」
人間の本来歩むべき道、他の「たぐい」との共生を考えます。
特集1「異種との遭遇」
■ 近藤祉秋「悩める現代哺乳類のためのマルチスピーシーズ小説——多和田葉子『雪の練習生』を読む」
■ 石倉敏明「獣の肉を食い、獅子の腹から生まれる——獣頭芸能に見る複数種の想像力」
■ 大小島真木×管啓次郎×津田敦「海と土が交わる場所」
特集2「ティム・インゴルドの世界」
■ 金子遊「生物と物質のダンス——インゴルドに関するエセー」
■ 古川不可知「天候のなかに線を描く——ティム・インゴルドの歩行論をめぐって」
■ 奥野克巳×上妻世海×能作文徳「ティム・インゴルド『人類学とは何か』を読む」
論考
■ 清水高志「世界の《ざわめき》に耳を傾ける——ブリュノ・ラトゥールの思想的系譜とそのヴィジョン」
■ 足立薫×逆卷しとね「すべてがサルになる——種社会論とダナ・ハラウェイが出会うとき」
■ 井上太一「ビーガン探訪——民族誌のアプローチから」
人類学マンガ
■ シンジルト+MOSA「蓄糞はウンチになった」
マルチスピーシーズ人類学研究会記録
出版社:亜紀書房 2021.2 ソフトカバー
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