「小屋の何処にいてもそこが自分の居場所として感じられる」
1957年に建てられた霧ヶ峰高原にある山小屋「クヌルプ・ヒュッテ」。
2017年に創業60周年を記念して発行された名作が文庫版として復刊です。
戦時を辛うじて生き延びた山小屋夫婦の物語、小屋に集まる人々やファンの方々へのインタビュー、登山家でもある写真家野川かさねの写真、画家伊藤弘二による山小屋の絵などで構成される。
”クヌルプはいつも懐かしい。いつも新しい。”
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山小屋の創業六十年目となる二〇一七年八月一日に『山の家クヌルプ』は出版された。
十月には上諏訪で縁のある方々との出版記念会を、そして十二月に松本の書店「栞日」とあがたの森にある「旧制高等学校記念館」で展示を行い、山小屋主人夫婦も足を運んでくださった。
刊行後ちょうど一年目となる二〇一八年八月二日に松浦寿幸さんが急逝された。九十二歳であった。
文庫版として刊行するこの本を「山のあなた」の松浦寿幸さんに捧げるとともに、変わらずに山小屋を続けている小夜子さんとご子息の健之さんへのエールとしたい。
本書を手にされた方が「小屋の何処にいてもそこが自分の居場所として感じられる」山小屋クヌルプを訪問してくださることを願っている。
(エクリ)
編著:エクリ 写真:野川かさね 挿画:伊藤弘二 デザイン:須山悠里 出版社:エクリ 2025 ソフトカバー 192p
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