『夜の木』『水の生きもの』などの絵本で知られるインドの出版社タラブックスから、2017年末に出版され好評を博した『TRAVELS THROUGH SOUTH INDIAN KITCHENS』、待望の日本語版。
著者である建築家・デザイナーの齋藤名穂さんは都内の美術館で開催された「本の形」をテーマにしたワークショップでタラブックス代表ギータ・ウォルフさんに出会い、意気投合し、インドへ招かれます。
齋藤さんはインドで3ヶ月滞在し、その土地の文化と空気を最も感じられる場所「台所」をテーマに本書を創りました。
日々の体験を日記のように綴り、訪ねたキッチンの間取りをスケッチし、食材を観察し、料理を作る。
そこから浮かび上がるのは単体で消費される料理(の写真)ではなく、台所という環境(とそこで交錯する人々)から生まれるそれぞれの人生の物語でした。
これまでのタラブックスの絵本とは少し違った、しかし根底のテーマは繋がった、素晴らしい一冊です。
この2刷には別冊エッセイ「キッチンのむこう」を収録
文・イラスト・写真:齋藤名穂 出版社:ブルーシープ 2020.8 2刷 ハードカバー 215p
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