一九九八年四月、写真家の著者は北海道の新十津川という小さな町で"弁造さん"という老人に出会う。
弁造さんは十畳ほどの丸太小屋で「庭」と「イーゼル」を見つめながら自給自足の生活を送っていた。
八十歳になってからも呟いていた「絵描きになりたい」という言葉。
著者は二〇代半ばで弁造さんに出会い、「生きること」とは何か?その根源的な問いを常に持ち続けることになりました。十四年に渡り撮影を続けた絵描きと彼の生活。
記憶と辿るように記された24篇の物語と40点の写真。
心揺さぶられる、永く深く読まれて欲しい(読まれるであろう)一冊です。
著者:奥山淳志 出版社:みすず書房 2023 7刷 ソフトカバー 284p
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