夏葉社のインディレーベル「岬書店」の第二弾。
三重県鈴鹿市在住の高校生だった著者大阿久佳乃(おおあく・よしの)さんが、詩を読むことの面白さを伝えようと制作した約 16ページのフリーペーパー『詩ぃちゃん』。
本書はその『詩ぃちゃん』の再録と100ページの書き下ろしで構成されています。
blackbird booksでは「おすすめの詩集は?」と聞かれることが少なくない。また、「おすすめの本は?」と聞かれると「詩」を薦めることが多い。
読みたい本が分からない時、小説や評論は長すぎるし、ノンフィクションは現実の重みに耐え切れず最後まで読めない、と言われるからだ。多くの詩は短く、そして書かれている言葉の多くは易しく、難しくあってもその分からなさが再読の機会を与えてくれる。つまり、のどがかわいているとき、詩は差し出しやすい。
詩とは、人生とは、といった哲学的な問いに学校、読書、家族、など個人的な体験を通して言葉と共に向き合っていく。そして読者によかったら一緒に考えてください、と呼びかける。その凛とした佇まいがこの本の魅力だと思う。
「おすすめの本は?」と聞かれたらもちろんこの本を薦める。
装画:モノ・ホーミー
著者:大阿久佳乃 出版社:岬書店 2020 第二刷ソフトカバー/仮フランス装 160p
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