一日の長さは一年に0.000 017秒ずつ伸びている。
500億年のちは、一日の長さは今の一月ほどになるだろう――
空想よりも現実の世界のほうがずっと不思議だ、と感じるような、物理学者のとっておきの22のお話。
「科学」と聞いて一瞬たじろぐかも知れませんが本書は物理学者である著者が「科学の面白さの核心を伝える本を書いてみたい」という念願叶っての作品で、明晰でわかりやすくどこかロマンチックに書かれていて、一行読めばすぐに引き込まれます。
"人間をのぞいては、農業を行ない牧畜を行ない、王国を共和国をそして大帝国を築く生物などいないではないか。
しかしはたしてそれは本当だろうか。
世を広く見渡すと、実は意外なところに、人間以外で農業を行ない、牧畜を行なう生物が、王国を共和国をそして大帝国を築く生物がいる。
それはアリである。"(生命編)
アリの話が大変面白いのですがこれがどう科学と結びつくのか、読んでからのお楽しみ。
〔天空編〕
〔原子編〕
〔数理社会編〕
〔倫理編〕
〔生命編〕
5編22夜、お楽しみください。
著者:全卓樹 装幀:佐々木暁 出版社:朝日出版社 2020 初版8刷
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