「それでも私たちは生きて、ゆっくりと消滅していくだろう」
繊細な文体、それは傷つきやすさと美しさを併せ持っている。
読んでいるとそんなことを考える。
著者は1972年生まれ、現代韓国を代表する作家として本国で親しまれているようだ。
「私たちの都市の記録者」と呼ばれ、この緻密でかつ余白を持つ描写に舌を巻く。
ミス・チョと亀と僕
何でもないこと
私たちの中の天使
すうっと、夏
夜の大観覧車
引き出しの中の家
アンナ
上記に加え現代文学賞を受賞した「三豊百貨店」(2006年)を最後に加えた短編集。
著者:チョン・イヒョン 訳:斎藤真理子 出版社:河出書房新社 2020.8 初版 ソフトカバー 278p
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